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太白区八木山地区民生委員児童委員協議会

全国民生委員児童委員連合会ホームペ―ジ
東日本大震災被災地支援活動
(平成26年3月掲載)

1.はじめに
 当地区は、伊達政宗の居城「仙台城」南側のゆるやかな丘陵地で、眺望がすばらしく、東に日本三景の「松島」、南に仙台の南部拠点地区、その向こうに太平洋を望む地域で、約6,060世帯を23名の委員(うち主任児童委員2名)で担当しています。
 地区内には、東北工業大学、仙台日赤病院、老人ホーム、東北地方屈指の八木山動物公園、大型レジャー施設ベニーランドがあります。
 平成27年には市域東の海岸部(若林区荒井)から地下鉄東西線13.9kmが開通し、当地区内に西の起点駅(八木山動物公園駅)が置かれる予定であり、新たな発展が期待される地域です。
 東日本大震災により、今までの眺めが一変しました。海沿いの家屋や松林が津波でなくなり、打ち寄せる白波が見えるようになりました。当地区も丘陵地帯の「ひな壇団地」であるため、それぞれ規模は違っても、宅地や家屋が被害を受け、いたるところで被災宅地の復旧工事が行なわれています。

2.震災前の取り組み
 これまでの3年間、下記(1)~(3)を展開してきました。
 (1) 震度5強時、担当エリアの巡回と会長へ結果報告。
 (2) 担当エリアの町内会長と協同で福祉マップ、防災マップの作成と支援活動の確認。
 (3) 災害時要援護者リストの作成、避難所担当民生委員の割り振り。

 震災前日は定例会で、いつ大地震が来てもおかしくない状況にあり、「一人暮らし高齢者世帯・高齢者のみ世帯」訪問の際、これまで取り組んできた自助努力=(避難経路の確保、飲料水・食料の確保、耐震対策)について、一層の声がけを心がけようと、上記3項目を確認し合ったところで、まさにその翌日に、大震災が発生しました。


3.震災時の活動
 (1) 災害時要援護者の安否確認は電話が不通であったため、災害時要援護者リスト(委員1人あたり約14名)による訪問確認(生活支援・健康・医療面)、在宅の災害時要援護者への炊き出し、援助物資の配布等(特にガス・電気停止のため暖房灯油・ローソク・懐中電灯の電池確保に苦慮しました)を行ないました。

避難の様子


(2) 地区内避難所運営支援
 小学校2校・中学校1校、市民センターに避難所が開設され、避難者による自主運営になるまで、避難所名簿の作成、炊き出し、支援物資の管理と配布、トイレ清掃、飲料水の確保、暖房の給油支援のため、日中はもとより夜間も泊まりこみで支援にあたりました。

地区内避難所運営支援


(3) 学生ボランティアの協力があり、水汲み、支援物資配布が行なわれました。

学生ボランティアの協力による水汲みの様子


(4) 臨時会の開催
 余震の続く不安な活動のなかで震災から5日後、民児協の臨時会を開催、各委員の活動状況が報告され、連携が図られました。


4.その他
 (1)「一人暮らし高齢者世帯・高齢者のみ世帯」の被災者への「り災証明」、被災者生活再建支援金、医療費・国保保険料・税金の減免、住宅応急修繕、被災宅地復旧、災害義援金の申請手続きの代行を行ないました。

 (2) 現在、震災体験に基づいた新たな視点での避難所運営マニュアル、防災マップの作成、災害時要援護者支援体制の見直しを行なっています。

 (3) 避難所避難者に対する手厚い支援の一方で、在宅で頑張っておられる「一人暮らし高齢者世帯・高齢者のみ世帯」に対する物資支援のあり方について課題が残りました。


5.おわりに
災害時に民生委員が役割を果たすことができたのは、町内会、地区の各種団体、地域の方々の連携と協力の「共助」にあると思います。 言い古された言葉ですが「備えあれば憂いなし」です。災害時、何をし、最低限何が必要か、委員各自も確実に備えておくことに尽きると思います。 最後に、このたびの大震災に際し、全国から激励やご支援、お見舞いをいただき厚く御礼申しあげます。